経口内視鏡検査について
一般的に胃カメラと呼ばれ、上部消化管内視鏡検査とも呼ばれる経口内視鏡検査は、従来通り口から直径およそ8~9mmほどの内視鏡カメラを挿入する内視鏡検査です。
経口内視鏡には大きく分けて「通常の経口内視鏡」と「麻酔を使用した経口内視鏡」の2種類があります。
口から内視鏡カメラを挿入するので、嘔吐反射がある方や苦しい思いをしたことがある方は、麻酔を使用した、痛くない、苦しくない、経口内視鏡を受けることをお勧めします。
ただし、全ての患者さんに麻酔を使用した経口内視鏡検査ができるわけではないので、検査前に病院、クリニックの担当医に相談してみてください。
通常の経口内視鏡検査
喉の局所麻酔こそ行いますが、嘔吐反射の強い方は不向きな、いわゆる一般的で従来通りの胃内視鏡、胃カメラと言われている検査です。
鎮静麻酔を使用しないので、内視鏡検査後は休まずにすぐに帰れるメリットがあります。
麻酔を使用した経口内視鏡検査
嘔吐反射が強く、経鼻内視鏡が苦手な方は、また「内視鏡検査そのものが怖い」、「痛そう」、「苦しそう」などの印象がある方はこの麻酔を使用した経口内視鏡検査がお勧めです。
麻酔を使用した経口内視鏡検査はその名の通り、麻酔を使用するので眠っている間に内視鏡検査を済ませることができます。
検査後にすぐ帰れなかったり、車で帰ったり、仕事に戻ったりすることはできなかったりと、検査後の制約があるので、担当医に確認してみてください。
通常の経口内視鏡検査の流れ
出来るだけ早い時間に、消化の良い夕食を済ませてください。夕食後の水分摂取は問題ありませんが、牛乳やジュースのようなものはできるだけ避けてください。
早めに就寝するようにしてください。常用している薬がある方は、事前に病院、クリニックに相談してください。
朝食は摂らないでください。検査1時間くらい前までであれば、水分摂取は問題ありませんが、牛乳やジュースのようなものはできるだけ避けてください。
喫煙もできるだけ控えたほうが良いです。
検査着を着用する病院、クリニックもありますので着替えやすい服装で、また時計や眼鏡、口紅なども取るように言われる場合もあります。事前にご確認ください。
車やバイク、自転車などでの来院はできるだけ避けましょう。
経口内視鏡検査の受付を済ませてください。
まずは胃の中の粘液や気泡を除去するための消泡剤を飲みます。その後、喉の麻酔薬をゆっくりと飲みます。
麻酔が効いてきたら、検査室に移動、検査台で横になります。病院、クリニックによっては胃の運動を止める薬や鎮静剤を使用することもあります。
いよいよ経口内視鏡検査スタートです。喉にスプレーで麻酔をし、マウスピースをくわえ、内視鏡を挿入します。
体は楽にしながら、抵抗があるとは思いますが、唾液はそのまま外に流してしまって構いません。検査時間はおよそ5~15分ほどです。
検査後は、30分ほど休んでいただき、気分が優れない場合はすぐに担当医に伝えてください。
休憩後は、実際に内視鏡で撮影した画像を見ながら担当医から説明を受けます。
車や自転車の運転は避けてください。激しい運動も避けてください。
検査後1時間ほどたてば飲食しても構いませんが、できるだけ消化の良いものにしてください。
入浴はシャワー程度にしておいてください。
経口内視鏡のメリットとデメリット
一般的には経口内視鏡は経鼻内視鏡と比べ画質が良いので、診断の精度は経口内視鏡の方が高いとも言われています。
その分、内視鏡カメラの直径はほぼ倍ありますので、検査にあたっての身体的な苦痛を伴うのは経口内視鏡です。
ここでは経口内視鏡のメリットとデメリットをご紹介いたします。
経口内視鏡のメリット
- 内視鏡の管が太く、ライトも明るいので鮮明な画像を撮ることができることにより、診断の精度も上がる
- 少ない苦痛で内視鏡検査が受けられます
- 麻酔を使わなければ、経鼻内視鏡と比べると身体的に楽ですし、検査後に普段通りの生活をすることが可能
- 嘔吐反射があっても、細い内視鏡を使用すれば、軽減することができる
経口内視鏡のデメリット
- 麻酔を使うので、その副作用で気分が悪くなる場合がある
- 麻酔を使うので、内視鏡検査中の記憶がないこともあります
- 麻酔を使うので、内視鏡検査後に車や自転車の運転、仕事に戻ったり、繊細な作業などはできません
- 内視鏡検査そのものの所要時間が若干長いです